2010 Fiscal Year Annual Research Report
読み書きに関する学習困難に対応したeラーニングによる療育とその実証的評価法の構築
Project/Area Number |
09J02998
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 祐康 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | eラーニング / 特別支援教育 / 発達障害 / 自閉症 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き,京都大学こころの未来研究センターにおいて31名の発達障害児を対象に学習支援研究を継続して行った。本年度は、去年度使用した読み書きに関してのeラーニングソフトのプログラム(ひらがなやカタカナの単語や文章をキーボード入力し、読み書き学習をしていく課題)をさらに発達障害児に合った形式に改良することを主として行った。発達障害児では、視覚優位、または聴覚過敏といった特性が個人間によって違う。そのため課題における刺激提示の仕方や強化子(対象児童にとってその学習の外発的な動機づけになるような報酬)などについて、それぞれのニーズに合わせたトレーニングが組めるよう工夫が必要であった。そのプログラムのブラッシュアップを行った。また、本年度は広島市教育委員会の要請により、市内の8校の小学校においてそれぞれの特別支援学級、通級指導教室、難聴指導学級でのeラーニングソフトの導入を行った。各小学校にて対象児に、学習介入の事前事後の評価としてレーヴン色彩マトリックス検査、PVT-R絵画語い発達検査、読み書きスクリーニング検査などの知能検査、発達検査を実施した。これらアセスメントの結果は広島市教育委員会を通し、各小学校に開示、提供した。また各小学校を月に一度訪問し、使用状況をヒアリングするとともに、発達障害児への授業方法について応用行動分析に基づいたアドバイスを行った。また教育現場でのeラーニングソフト活用中、教員側から要望を聞き、その都度、教材のブラッシュアップに努めた。本年度は、実際に教育現場における活用という実践的支援ができたことに重要な意義があった。 また並行して、自閉症児に関して排他的論理和課題の認知を調べる基礎実験を行った。これらはすべて継続中の課題であり、平成23年度中に随時まとめて発表していく予定である。
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Research Products
(1 results)