2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性流体を適用した同調液体ダンパーの制振性能及び制御能力の評価
Project/Area Number |
09J03010
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 憲一 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 磁性流体 / 制振装置 / スロッシング / 同調液体ダンパー / 同調磁性流体ダンパー / 二重円筒容器 / 固有振動数 / 流体圧力 |
Research Abstract |
磁性流体を用いた制振装置(TMFD)の制御を行う為には装置作動流体(磁性流体)の運動の状態を知る必要があり、流体の状態を知る手段として小型圧力センサを設置した。圧力センサからの測定値は理論式に良好に一致した。圧力値(又は流体力)の変動振幅及び振動位相差から、容易に適切なフィードバック制御が行える可能性を示した。 圧力と流体の液面変位の関係を測定した。磁場を磁性流体に印加したときの挙動の変化から、横方向加振にも関わらず容器内磁性流体に縦方向スロッシングが生じていることを求めた。縦方向スロッシングは従来理論では無視されていた項だが、縦方向スロッシングの共振振動が圧力と液面変位の関係に大きく影響を与えることが分かった。反面、横方向スロッシングは影響を与えなかった。この結果により理論の修正を行うことができた。また、磁性流体スロッシングの制御手法確立に大きく寄与するものと思われる。 TMFDの性能を改善することを目的として、同程度の磁場を発生させた時に制御対象の変化量が大きくなる条件を実験的に求めた。制御対象とは磁性流体のスロッシング固有振動数であり、磁場を印加することによって固有振動数が変化する。今回の研究で、ドーナツ断面である二重円筒容器の中央空洞部に鉄心を挿入する形態が非常に効果的であることが判明した。従来の理論解析では効果が弱くなるとも考えられる装置形態であり、理論修正の大きな手掛かりを掴んだ。理論の修正を行うことで、従来理論に特定困難なパラメータがあったという問題を解消することができると考えられる。また、装置としても電磁石の小型軽量化及び省電力化が図れるため、実用性の向上に大きく寄与するものである。
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Research Products
(6 results)