2010 Fiscal Year Annual Research Report
魚類リポカリン蛋白質による生体異物排泄および静菌作用の解明
Project/Area Number |
09J03139
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤根 妃奈 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | トリブチルスズ / トリブチルスズ結合タンパク質 / レポータージーンアッセイ |
Research Abstract |
本研究では、異物排泄と生体防御において重要な機能が示唆されているヒラメのトリブチルスズ結合タンパク質(TBT-bps)を水産業で有効に活用することを目的として、TBT-bps遺伝子の発現調節機構を解明するためにヒラメの初代培養肝細胞を用いてレポータージーンアッセイを行った。既読のTBT-bp1および2の遺伝子上流域1.3kbおよび4kbをそれぞれホタルルシフェラーゼ遺伝子上流に挿入してレポーターベクターを作製し、これをヒラメの初代培養肝細胞にトランスフェクションした。その後、エタノールを溶媒にして10^<-11>~10^<-6>MのTBTに24時間暴露し、TBTが与える影響を調べた。内部標準ベクターとしてウミシイタケのルシフェラーゼ発現ベクターを同時にトランスフェクションした。その結果、10^<-11>~10^<-6>MのTBT暴露後24時間ではTBT-bp1,2ともに遺伝子の発現に有意な変化は観察されなかった。これにより、TBTはTBT-bp1および2の遺伝子の発現に直接的に関与していないあるいはTBT-bpsのコード遺伝子上にはTBTが作用する因子などはない可能性が示唆された。よって今後は、TBTが直接結合しTBT-bpsの発現に影響を与えると考えられる核内レセプター(PPAR/RXRなど)の発現ベクターを同時にトランスフェクションすることで、TBT-bpsの発現とTBTの関係をより詳細に解明する必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Tributyltin-binding protein type 1, a lipocalin, prevents inhibition of osteoblastic activity by tributyltin in fish scales.2011
Author(s)
H.Satone, J.M.Lee, Y.Oba, T.Kusakabe, E.Akahoshi, S.Miki, N.Suzuki, Y.Sasayama, M.Nassef, Y.Shimasaki, S.Kawabata, T.Honjo, Y.Oshima
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Journal Title
Aquatic Toxicology
Volume: 103
Pages: 79-84
Peer Reviewed