2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代光デバイスに向けた3次元自己組織化量子ドット超格子に関する研究
Project/Area Number |
09J03170
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 彩未 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 量子ドット / III-V族化合物半導体 / 結晶成長 / 分子線エピタキシー法 |
Research Abstract |
半導体量子ドットは、キャリアをナノメートル領域に3次元的に閉じ込めることができ、巨大な光非線形性を利用して種々の光デバイスの性能向上が期待できる。本研究では、GaAs基板上InAs自己組織化量子ドットを用いた光デバイスへの応用を目指し、中間層にGaNAs材料を用いた歪み補償法による量子ドットの高密度化技術の開発を行っている。しかし、GaNAs結晶は窒素が局在化しやすく均質な結晶の作製が困難な材料である。そこで、従来のAs_4分子線に替え、As_2分子線を用いることによって結晶品質が改善されることを明らかにしてきた。 本年度はさらに、異なるAs分子線種がGaNAs上InAs量子ドットの形成過程に与える影響について調べたところ、大きな違いがあることが明らかになった。As_2試料では量子ドット形成初期から高密度でmono-modalなサイズ分布を示し、サイズ均一性を保ちながら量子ドットのサイズ飽和を迎える。一方As_4試料では、量子ドット形成初期において低密度でbimodalなサイズ分布を示し、InAs堆積量が増加するにつれサイズ均一性は向上する。最終的には大きなドットサイズで飽和しmono-modalなサイズ分布になった。さらにすべての量子ドット形成過程において、As_2試料はアスペクト比の高い量子ドットが得られた。 上記のように、As_2分子線を用いることによって多重積層構造に最適なInAs堆積量で量子ドットのサイズ均一性を向上させることに成功した。今後はこれらの量子ドットを用いて多重積層を行い、発光波長の制御およびデバイス化を行う予定である。
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