2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノプリントによる金属ナノ配線技術の確立とフレキシブル電子デバイスへの応用
Project/Area Number |
09J03226
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
海野 徳幸 東京理科大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノプリント / 金属パターニング / 酸化金属離型膜 / プラスチック基板 / レプリカモールド / 引っ張り加工 |
Research Abstract |
本研究は、ハードスタンプを用いたコンタクトプリントによって、透明基板であるプラスチック上に対して金属微細パターンを形成し加工する技術を確立することを目的としている。本年度の目標は、プラスチック基板上に形成した金属微細パターンを更に変形させる手法を確立することであった。まず、効率的にプラスチック基板上に金属パターンを形成する技術として、レプリカモールドを用いたナノトランスファープリントに関する研究を行った。ここでは、前年度までに考案した酸化金属離型膜がプラスチックレプリカモールドに対して有効であるかどうかを研究した。結果、酸化クロム離型膜をシクロオレフィンポリマーにて作成したレプリカモールドに適用することで、従来困難であったプラスチックレプリカモールドからの微細金属パターンの転写が可能になることを明らかにした。従来、ナノトランスファープリントはポリジメチルシロキサンと呼ばれる材料に依存した系であったが、本結果により、他のプラスチックレプリカモールドでもナノトランスファープリントが行えるようになった。本研究の結果はベルリン(ドイツ)にて行われたThe 37th Intemational Conference on Micro-and Nano-Engineeringにて発表を行いその後Microelectronic Engineeringに投稿した。次に、プラスチック基板上に作成した金属微細パターンを更に追加工するプロセスについて検討した。ここでは、プラスチック基板を加熱後引っ張ってパターンを変形させる手法をとった。結果、初期のラインアンドスペース金属パターンよりもスペース幅の大きなパターンを形成することに成功した。本手法を適用すれば、高機能な透明電極シートなどの作製がより簡易になると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響による学校閉鎖や装置納入の若干の遅れがあったが、レプリカモールドからの金属パターニング手法を確立するところまで達成できた。今後は本研究成果を生かした実際のデバイス作製に引き続き注力していく。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究成果によって、プラスチック基板上にナノオーダーの金属パターンを効率よく形成する手法を確立できた。引き続きデバイス作製へと応用していくにあたり、有機半導体との組み合わせや、透明電極シート用の電極パターン最適化もあわせて進めていく必要がある。有機半導体との組み合わせは位置合わせが重要であるが、透明基板同士の貼り合わせによって解決できると考えている。透明電極シート向けには大面積パターニングが必要で、すなわち大面積なモールドが必要となる。これは、本年度に開発したレプリカナノプリント法によって大面積モールドの低コスト化が実現できると考えている。
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