2009 Fiscal Year Annual Research Report
フィールドバス技術を利用したプロセス診断技術開発に関する研究
Project/Area Number |
09J03249
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上原 彬 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フィールドバス / プロセスオートメーション / 診断技術 / コリオリ流量計 / 差圧伝送器 |
Research Abstract |
本年度は,フィールドバスを利用したプロセス診断技術開発として,差圧伝送器による導圧管の詰まり診断の汎用性向上とその応用,およびコリオリ流量計における流路への空気混入の診断技術開発を目的とした.これらの不具合は対象とする流量計で得たプロセス値を制御対象とする場合に制御不能に陥る危険性がある.したがってプロセス診断技術は,プロセス産業での事故による損失の回避や,原子力発電を始めとした危険度の高いプラントにおいて長期の安全運転をする上で必要な技術である. 差圧伝送器による導圧管の詰まり診断については,これまでの異なる複数のプロセス流体(水,油,空気)を対象とし実験した.これらの結果に基づき,詰まりの生じている差圧伝送器での差圧測定,および提案する診断手法の感度に,流体の物性が与える影響を明らかにした.この成果は,国際学会および投稿論文により発表した.また,この差圧伝送器での詰まり診断に利用していた圧力信号の揺動成分を応用し,配管の腐食を差圧伝送器1つで診断する手法について国際学会にて発表した. コリオリ流量計の気泡診断については,空気混入を模擬する実験設備を作成し,気泡が流量測定に与える影響,空気混入量を診断するのに有効なパラメータを調査した.特に本研究では,測定される信号の揺動成分に注目するため,アンプから直接測定管に設置された検出コイルの信号を測定するシステムを構築した.この調査の結果,運転動作点の影響を受けることなく,気泡の有無を診断できる手法を明らかにした.また,気泡混入量と流量測定値の関係をボイド率により一定に評価できることを明らかにした.コリオリ流量計における診断技術の成果は,来年度の報告を予定している.
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Research Products
(3 results)