2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03264
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩井 一正 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 太陽物理 / 粒子加速現象 / 太陽電波バースト / 地上電波観測 / 観測機器開発 / STEREO衛星 / コロナ磁場 / コロナ質量放出 |
Research Abstract |
太陽から最も頻繁に放射される電波バーストの一つにType-Iがある。この現象は他の太陽電波現象に比べて強度の弱い微弱な太陽電波現象である。Type-Iはコロナ中で高エネルギーに加速された電子から放射されていると考えられているが、その電子を高エネルギーに加速する過程はいまだ明らかになっていない。本研究では微弱な太陽電波Type-Iを発生させる高エネルギー電子の加速過程を解明することを目的とし、地上電波観測を中心とした研究活動を行った結果、本年度以下の成果が得られた。 1、新太陽電波観測システムによる観測、解析ツールの開発、データベース化 申請者が修士課程から開発を続し昨年度完成した太陽電波観測システムの運用を連続的に行うための運用システムの開発を行った。その結果毎日、ひのでから日没まで観測・電波信号の計測・その後の解析・結果の作図までを全自動で行うことが出来るようになった。また観測結果のデータベース化と解析するための解析ツールの開発を行い長期の観測データを解析することが出来るようになった。その間も太陽電波の連続観測を継続し、本年度は約7カ月に渡って太陽を連続的に観測することに成功した。 2、STEREO衛星を用いてType-Iとコロナ質量放出現象との関連を指摘 米国が中心となって打ち上げたSTEREO衛星は地球周回軌道を離れ、太陽を地球とは違った角度から観測することが可能である。この衛星から得られた太陽コロナの撮像データと本研究で得られた太陽電波のスペクトルデータを比較することで、Type-1の強度がコロナ質量放出現象(CME)の直前に減少することを見出した。更に太陽コロナの磁場構造のシミュレーションを行い、Type-I変動の原因がCMEを発生させる太陽コロナの磁場構造と関連していることを指摘した。この結果は国内外の学会で発表するとともに現在学術雑誌に投稿中である。
|
Research Products
(10 results)