2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03320
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 健太郎 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 助教
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Keywords | 無線センサネットワーク / 観測データの相関 / 空間相関・時間相関 / 分散符号化・統合復号 / 通信路誤り訂正 / Shannon/Slepian-Wolf限界 / 相関推定 |
Research Abstract |
平成21年度に引き続き,無線センサネットワークにおける観測データの空間的・時間的な相関の特徴に着目し,センサ情報の相関に基づき無線通信で生じた誤りを訂正する分散符号化・統合復号の検討を行った. まず,平成21年度の検討に基づき,観測データの時間的な変動の大きさによりセンサのADコンバータの出力に空間的な相関が高いビットと低いビットの箇所が混在する場合,それが観測データの相関の推定精度,ひいて誤り訂正の性能を大きく劣化させる要因となることを解析的に明らかにした.さらに,センサのADCコンバータ出力に簡単なグレイ符号化を用いてADCコンバータ出力に生じるビットの繰り上がりを回避することで誤り訂正の性能を大きく向上できることを,実測した室温データに基づいた性能評価により明らかにした.以上により,無線センサネットワークを用いた環境データ収集において,提案した分散符号化・統合復号方式は無線通信で生じた誤りの低減,ひいては所望の通信品質を満たすために必要な送信電力の削減に有効であることを示した. また,観測データをそのまま送信するだけでなく,観測データの時間的な相関に応じたデータ圧縮の組み合わせについても検討を行った.情報量を基準としたデータの圧縮による送信電力削減の効果と冗長が削減されることによる誤り訂正効果低減の影響のトレードオフ関係について性能評価を行った.これより,提案した分散符号化・統合復号方式は単純なパリティビットのパンクチャだけでも無線通信品質を保ちつつ最適なデータ圧縮が達成できる性能範囲があることを示した.
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