2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03322
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀井 泰之 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Belle / B中間子 / CP / CP非保存 |
Research Abstract |
Belle実験で集められた約8億個のB中間子対を用い、CP非保存角phi3の測定に向けて解析を行った。 角phi3の測定には、B中間子のD中間子・K中間子ペアへの崩壊を用いる方法が最も有効と考えられており、本研究では、続いて起こるD中間子崩壊の終状態としてKpiやCP固有状態を用いる。この反応は、極めて稀にしか起こらないため、バックグラウンドの除去が不可欠である。本年度は、最も寄与が大きいと考えられるe+e-→qq(q=u,d,s,c)反応に起因するバックグラウンドの、新たな除去方法の考察を行った。B中間子崩壊の再構成に用いない粒子の情報を用い、K中間子の電荷といった新たな複数のパラメータを導入することで、これまでの方法を大幅に改善する可能性を示した。特に、D中間子と適当に取ってきたpi中間子の質量がD*中間子の質量である事象を除くと、信号をほとんど失う事なく、e+e-→qqバックグラウンドの約15%を除去できることを発見した。 また、実験グループが推進している、新しい粒子検出法の効率の評価を、モンテカルロシミュレーションと実データを用いて行った。この手法は、粒子飛跡構成や光子検出の効率を上げるもので、崩壊によって検出効率が数%から30%程度増加する事を確認した。崩壊確率が比較的大きなB中間子のD中間子とpi中間子への崩壊について、崩壊確率の測定を行い、新しい粒子検出法によってより精度良く崩壊確率を測れることが示された。値は、世界平均と矛盾しないものだった。 本年度の解析によって、バックグラウンド除去と粒子検出の効率上昇を元に、より精度の良いphi3測定に向けての基盤が整ったと言える。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Alan Astbury, et al.
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Journal Title
Fundamental Interactions (Proceedings of the 23rd Lake Louise Winter Institute)(World Scientific)
Pages: 249-253
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