2010 Fiscal Year Annual Research Report
電極/固体電解質ヘテロ界面におけるイオンのトポケミカル挿入・脱離挙動の解明
Project/Area Number |
09J03366
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥村 豊旗 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | リチウムイオン二次電池 / X線吸収分光法 / 固固ヘテロ界面 |
Research Abstract |
安全性の高い全固体リチウムイオン二次電池の開発に求められる充放電時の高出力化を実現するため1)構成材料である固体電解質もしくは電極内でのリチウムイオン拡散挙動向上の設計指針確立、2)電極/固体電解質界面でのイオン移動の向上をはかるため、その界面での化学的・物理的状態を結晶構造・電子状態の観点から明らかにすることを目的に研究を遂行した。 バルク物性解析では、本年度、電極材料に焦点をあて、ボルドー大学のDelmas教授との共同研究のもと核磁気共鳴測定手法を用いて局所構造解析を行った。その結果、電極材料を構成するリチウムイオンと周囲の遷移金属イオンとの相互作用により、これまで明らかにされてこなかった電極内部の詳細な局所構造を明らかにした。また前年度の業績である固体電解質材料におけるリチウムイオン拡散挙動と電子・局所構造との関係を雑誌論文2報に出版した。 界面に関する研究では、前年度開発した新規測定手法である深さ分解X線吸収分光法を適用し、より本格的に電極/固体電解質界面に異種層を付与した際の電子・局所構造を解析した。また、その電気化学特性(電池としての性能)を合わせて測定した。その結果、電極/電解質界面にある特定の異種層を導入することで、先程の界面でのリチウムイオン移動に優位な挙動を示すことが明らかとなった。また、優位な挙動を示す理論を電子・局所構造より明らかにした。本内容は雑誌論文に出版した。 このことにより、全固体リチウムイオン二次電池のような全固体イオンデバイス内での各々の律速過程におけるイオン移動と電子・局所構造との相関が明らかとなり、全固体電池の高出力化のための設計指針確立が明らかとなった。
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Research Products
(4 results)