2009 Fiscal Year Annual Research Report
正常成体脳におけるFRS2分子発現と脳腫瘍形成時の動態変化・作用機序の解明
Project/Area Number |
09J03420
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
峯岸 ゆり子 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | FRS2beta / シグナル伝達 / プロテオミクス / 細胞内分解 |
Research Abstract |
申請者はシグナル伝達アダプター分子として知られるFRS2betaに対する特異的抗体を確立し、内在性発現での機能解析が可能としてきた。この抗体を用いた免疫組織科学・生化学的な検討から、FRS2betaタンパクの脳・神経系組織に顕著な発現を認め、初代培養神経細胞内で細胞内分解に関与するライソゾームを取り囲む局在をとることなど、従来は細胞膜局在性であると考えられていたFRS2beta分子についての新規所見を報告し、内在性FRS2beta機能について本格的な解析を展開中である。ライソゾーム局在性との関連についてより明らかにする為に、LC-MS/MSを用いたプロテオミクスによりFRS2betaに特異的な結合分子の同定を行い、候補分子内に細胞内輸送に関与している事で知られている某分子群を見出した。この分子に対する結合モチーフについて検索し、結合モチーフ内で重要なアミノ酸を一部置換させた変異モチーフ型のFRS2betaではその結合性が失われる事などから、結合部位の同定している。また同時に、これらの結合分子群と合わせ、FRS2betaと別途結合する事を報告している受容体型チロシンキナーゼの発現量が、FRS2beta発現により減弱化する事についても見出しており、現在はこれらの結合分子の減弱化にFRS2betaが共局在性を持つライソゾームと関連した細胞内分解が関連するかについての検討を分解阻害剤、SiRNA法を用いて検討を行っている。当研究室ではこれまでにもFRS2betaが腫瘍抑制腫瘍細胞で腫瘍抑制的な作用を持つ事を報告しているが、腫瘍細胞内で活性化している受容体型チロシンキナーゼ発現を現弱化させるFRS2betaの機能が、細胞内分解促進的機能により腫瘍形成に関連するシグナルを抑制的している可能性について、最先端のイメージング技術による細胞内分子局在動態と合わせ、生化学的検討とともにその詳細について精力的に検討を進めている。
|
Research Products
(7 results)
-
-
[Presentation] Expression and function of FRS2beta in ErbB2-driven mammary adenocarcinoma.2009
Author(s)
Iejima, D., Minegishi, Y., Watanabe, M., Sakamoto, R., Kobayashi, N., Itano, N., Yoshida, N., Gotoh, N.
Organizer
第32回日本分子生物学会年会
Place of Presentation
パシフィコ横浜
Year and Date
2009-12-11
-
-
-
-
-