2010 Fiscal Year Annual Research Report
PFCsによる空間的・歴史的汚染実態及び対策に向けた汚染寄与の解明
Project/Area Number |
09J03467
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
頭士 泰之 横浜国立大学, 環境情報研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 残留性有機フッ素化合物(PFCs) / 汚染源解析 / 地理情報システム(GIS) / 微量分析 / 一斉分析法 / 東京湾流域 / 底質コア |
Research Abstract |
本研究課題では、残留性有機フッ素化合物(PFCs)汚染について空間的側面・時間的側面から汚染実態・変遷を明らかにし、汚染源解析により汚染寄与を解明することを目的とした。 研究計画の最終年度である今年度は、初年度から取り組んできたPFCsの空間的側面からの汚染源解析手法の構築と適用について実施した。初年度において、東京湾流域河川におけるPFC汚染実態調査を実施した。この成果は今年度、国際誌Environmental Science & Technology誌にてアクセプト・出版された。 PFC汚染はその用途から広域汚染となっていることが知られているが、汚染源特性とその寄与に関する知見は皆無であった。そこで上述の調査によって得たデータを利用して、地理情報システム(GIS)を用いたPFC汚染源解析を実施し、汚染源特性とその寄与の把握を試みた。これにより、東京湾流域の都市中心地域がPFC汚染に高負荷を与えて、東京湾水質に影響を与えている実態を示した。またポイント・ノンポイント汚染源の汚染寄与内訳を算出し、PFC汚染対策に重要となる知見を提示する事に成功した。この汚染源解析手法構築に関する結果は、初年度からの東京湾流域PFC汚染実態調査の取り組みと共にその刷新的手法の開発取り組みが評価され日本水環境学会より博士研究奨励賞が授与された。上述の研究活動と平行して、研究計画全年度を通してPFC汚染と管理に関する国際的な研究・規制動向調査を精力的に行なった。これについては学術文献、各国省庁や機関が取りまとめた調査報告書や規制実施に関する情報を集積しwebデータベースとして情報提供するオープンアクセスシステムを構築した。これら情報のうちPFCのリスク評価及びリスクマネジメントに関連する文献・情報を取りまとめ、国際的なPFC管理・規制に関する動向と今後の展開を紹介する総説論文を国際誌Clean Technologies & Environmental Policy誌に投稿し、2011年4月現在出版予定となっている。
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