2010 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアと中東地域を結ぶ「イスラーム」ネットワーク-その社会的背景-
Project/Area Number |
09J03475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山尾 博子 (木下 博子) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インドネシア / イスラーム / アズハル大学留学 / 社会的ネットワーク / エジプト / 東南アジアのムスリム |
Research Abstract |
本研究は、東南アジアと中東の両地域を移動する留学生によって形成されているイスラームのネットワークの内実を明らかにする。すなわち、現代インドネシア社会のイスラーム化に、留学経験者がいかなる影響を与えているのかを考察することが主たる目的である。具体的には、エジプトのアズハル大学に留学するインドネシア人学生に着目する。 今年度は、インドネシアでのフィールド調査を中心に行い、宗教教育に従事しない多様なキャリアを形成するアズハル大学出身者の、社会的意義について明らかにすることを試みた。フィールド調査で得られた定性的データ、および行政資料の精査を通じて明らかになったことは、1)アズハル大学出身者は、出自の多様性、所属組織の相違があるにもかかわらず、アズハル大学出身という共通の属性を共有し、社会的ネットワークに基づいてキャリアの形成を行い、イスラーム化に貢献していること、2)その社会的ネットワークは、アズハル大学留学時代の学生生活の様態に大きく左右されていること、以上である。 また、今年度は2010年7月にバルセロナで開催された世界中東学会において口頭発表を行い、その他国際ジャーナル、国内誌への論文投稿を行った。
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Research Products
(4 results)