2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアと中東地域を結ぶ「イスラーム」ネットワーク-その社会的背景-
Project/Area Number |
09J03475
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 博子 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | インドネシア / イスラーム / アズハル大学 / 中東留学 / 多様性 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、東南アジアと中東の両地域を移動する留学生によって形成されているイスラームのネットワークの内実を明らかにする。すなわち、これまでの研究では主な対象とされてこなかった留学生による留学先および帰国後の政治・経済的活動に注目することによって、東南アジアと中東における双方向の影響を提示することを目的とした研究であった。具体的には、カイロのアズハル大学に留学経験をもつインドネシア人知識人らが従事する、インドネシアのイスラーム化の実態を明らかにすることを目的とした。これに鑑み、特に本年度は以下の事柄に対して具体的な取り組みをおこなった。 第一に、カイロとインドネシアを中心とした、短期間のフィールドワークを複数回行った。アズハル大学参与観察、インタビュー、文献・資料の収集を通じて、留学生らによるビジネス参与、事業の現状把握をした。カイロでは、カイロ・アメリカン大学のMona Abaza氏、カイロ・インドネシア学生協会会長、および在カイロ・インドネシア大使館文化・教育部大使のSlamat Soleh氏より調査協力を獲得し、特に学生協会会長にはコーディネート役として、多くの学生組織の代表とのインタビューをセッティングしてもらった。 第二に、現地で収集した定期刊行誌のバックナンバー、行政資料などをもとに文献調査を行なう。特に一年次は定期刊行誌にみられる思想的潮流の分析を中心に、歴史的な変容を考察することを目的としていたが、実際には、留学生がカイロで発見する「多様なインドネシア・イスラーム」が具体的に何を指すのか、というてんを明らかにするための読み込みを行った。 その他、対外発表を積極的に行い、国際シンポジウム、国際学会、および国内での研究科において多くの発表を行った。
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Research Products
(4 results)