2009 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュを用いた脊椎動物の聴覚獲得メカニズムの解析
Project/Area Number |
09J03507
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
谷本 昌志 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 聴覚 / 音 / 内耳 / 有毛細胞 / 機械刺激受容チャネル / ゼブラフィッシュ / 耳石器官 |
Research Abstract |
脊椎動物が音を聴くとき,空気や水の微小な振動は内耳にある繊毛を持つ細胞(有毛細胞)によって電気信号へと変換される。この振動から電気信号への変換を機械刺激受容応答と呼ぶ。機械刺激受容は動物が音を聴いたり重力を感じるために必須であるにもかかわらず、そのメカニズムは未だに明らかにされていない。本研究ではゼブラフィッシュ内耳耳石器官に注目し,本年度は有毛細胞がいつ・どのような過程を経て機械刺激受容能を獲得するのかを調べた。今年度の研究結果から,ゼブラフィッシュ胚耳石器官の有毛細胞では受精後22~24時間という発達初期胚において機械刺激応答に必須である不動毛(stereocilia)および機械刺激受容チャネルを獲得し,同時に機械刺激受容応答が獲得されることが明らかになった。この時期に発現するチャネル候補遺伝子が機械刺激受容チャネルの実体であると期待される。本年度は生体胚の有毛細胞の機械刺激応答能を定量的に測定する実験系を世界に先駆けて確立させた。この実験系を用いて来年度はさらに詳細な機械刺激受容応答メカニズムが明らかにされると期待される。
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