2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内自食作用における隔離膜形成の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J03544
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石橋 弘太郎 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 分子細胞生物 / 小胞輸送 / Rab / オートファジー / 自食 / 隔離膜 |
Research Abstract |
自食作用は細胞内のタンパク質分解機構の一つである。自食作用の過程において自食胞と呼ばれる小胞を形成することが不可欠であるが、その形成機構は未だ不明な点が多い。最近、低分子量Gタンパク質Rab33Bの自食胞形成への関与が示唆され、Rab33Bの不活性化が重要な役割を果たすことが当研究室により明らかになっている。そこで本研究課題では、Rab33Bの不活性化因子(Rabb33B-GAP)の同定とその機能解析を通して、自食胞形成の分子機構の解明を目指している。これまでの研究によって、Rab33B-GAP分子としてOATL1を同定することに既に成功し、加えてOATL1の詳細な生化学的な性質を明らかにした。本年度はさらにOATL1がRab不活性化反応を調節する分子機構を理解するために、OATL1の結合タンパク質の同定と機能解析を行った。まず酵母Two-hybrid法や質量分析法を用いてOATL1に対する結合タンパク質を探索した。得られた複数の候補分子のうち共免疫沈降法によって結合を確認した1つのOATL1結合タンパク質(OATL1-BP)に着目した。既存の報告を参照し、OATL1-BPがリン酸化依存的にOATL1と結合することを示した。さらに質量分析法などによりOATL1のリン酸化修飾を受けるセリン残基を同定し、このセリンをアラニンに置換したSA変異体ではOATL1-BPとの結合能が欠失することを確認した。加えて、OATL1のリン酸化やOATL1-BPの結合の役割を理解するために、SA変異体を用いて、OATL1のRab不活性化能力や細胞内局在への影響の検討を行った。これまでのところOATL1の機能について、有意な変化や影響を観察できていないが、今回同定したOATL1-BPはOATL1の機能を理解するうえで重要な突破口になることが期待される。
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Research Products
(4 results)