2009 Fiscal Year Annual Research Report
革新的なバイオエタノール生産プロセスを実現するスーパーアーミング酵母の創製
Project/Area Number |
09J03588
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山田 亮祐 Kobe University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイオマス / エタノール / 酵母 / 細胞融合 / セルラーゼ / アーミングテクノロジー |
Research Abstract |
1.細胞融合法による新規宿主酵母株の創製 木質系バイオマスにはエタノール生産酵母Saccharomyces cerevisiaeが利用不可能なC5糖を多く含むためエタノール収率が低下してしまう。そこで、効率的なC5糖代謝に関与する全ての要素を同時に付与するために、C5糖発酵性酵母Pichia stipitisとS.cerevisiae及び高温発酵性酵母Kluyveromyces marxianusとの細胞融合により、C5糖から効率的にエタノールを生産する新規酵母株の創製を目指した。 各融合株をグルコース培地にて数代培養後スクリーニングを行うことにより安定融合株を取得することに成功した。今後は更に融合、スクリーニングを繰り返すことにより、よりC5糖発酵能の優れた酵母の創製が期待される。 2.アーミングテクノロジーを用いたスーパーCBP酵母の創製. セルロースを効率的に分解する糸状菌Trichoderma reeseiなどでは10種類以上のセルラーゼ遺伝子を有しており、それらの発現バランスを巧みに調節していることが知られている。そこで、酵母における最適なセルラーゼ種の組合せ、酵素活性バランスの探索を行った。 最適なセルラーゼ種の組合せを探索した結果、T.reesei由来EGII、CBHII、及びAspergillus aculeatus由来CBHI、BGLの4種類の組み合わせが最も高いセルロース分解活性を示すことが明らかとなった。さらに、探索した最適な組合せのセルラーゼ種を最適な割合で発現させるカクテルδインテグレーション法を開発し、低い遺伝子導入コピー数で、高いセルロース分解活性を示すアーミング酵母を創製した。本手法は,簡便に多種類の遺伝子を同時に導入可能であり、かつその割合を最適化可能であるという全く新規かつ有用な手法であり、今後多方面への応用が期待される。
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