2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03591
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山下 大輔 Tokyo University of Science, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルカロイド / 全合成 / ゾアンタミン / ゾアンテノール / ディールズ・アルーダー反応 |
Research Abstract |
ゾアンタミンアルカロイドに見られる複雑な七環性骨格、ビスアミナール構造は、他の天然物には例がなく極めて特異である。このような新規骨格から新たな生物活性が見出される可能性は高く、本研究により確立される合成経路を基盤とした構造活性相関研究は新しい生理活性物質の開発に貢献できると考えている。その足がかりとして、我々は天然物であるゾアンタミン、ゾアンテノールに着目し、その全合成を目的として研究計画を立案した。 当研究室では昨年度、ノルゾアンタミンの全合成を達成し、その成果をAngewandte誌に報告している。ゾアンタミンはB環にメチル基を有するノルゾアンタミンの類縁体であり、我々はまず二つの化合物に共通する鍵中間体を合成を行った。光学活性なヘイオス・パリッシュケトンを原料とし、18工程で中間体のアルデヒドへと導いた。これに対し、シロキシ基を有するヘプタジェンより発生させたジエニルアニオンを求核付加させ環化前駆体へと導いた。その際の収率は中程度であったが、得られる生成物はB環のメチル基における二種類のジアステレオマー混合物であった。それらは分離することが困難であったため、混合物のまま分子内ディールズ・アルダー反応を行い、その後両者をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離した。天然物と同じ立体化学を有する環化体については、全合成に向けたその後の変換反応を検討している。非天然型のメチル基を有する環化体については種々の条件でメチル基の異性化を試みたが、いずれの条件でも良い成果は得られておらず、今後の検討課題として残されている。
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Research Products
(1 results)