2011 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞核の初期化に関わるmicroRNAの機能解析
Project/Area Number |
09J03615
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小柳 三千代 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | iPS細胞 / ES細胞 / microRNA |
Research Abstract |
ヒト胚性幹(ES)細胞やヒトiPS細胞は様々な細胞へと分化することができる一方で、クローン間で分化傾向に違いがあることも報告されている。我々は様々な年齢、性別のドナーの様々な組織から、いろいろな方法で49個のiPS細胞を樹立した。また、これらのiPS細胞のmicroRNAの発現、遺伝子発現、DNAのメチル化を10株のES細胞と比較した。その結果、ES細胞とiPS細胞は分子レベルで非常に似通っており、両者を完全に区別できるようなマーカーは存在しなかった。次に、このような分子レベルでのばらつきと、神経細胞への分化傾向との関連を調べた。ES/iPS細胞をSFEBq法で分化させ、分化誘導開始後14日目に初期の神経分化マーカーPSA-NCAMと未分化細胞のマーカーOCT3/4の発現をフローサイトメトリーで調べた。ほとんどのクローンが、90%以上の割合でPSA-NCAM陽性の神経細胞へと分化したが、ごくまれに未分化細胞マーカーであるOCT3/4が10%程度残っているクローンが存在した。我々は後者のクローンを"bad"クローンと定義づけ、一方で、実験を繰り返しても未分化細胞の残存率が1%を超えない細胞を"good"クローンと定義した。分化誘導を行う前に、"bad"クローンと"good"クローンが予測できるかどうかを調べるために、我々は"bad"クローンと"good"クローンの未分化状態での遺伝子発現とmiRNA発現をマイクロアレイで比較した。その結果、いくつかの分子が"bad"クローンで高く発現している傾向にあることがわかった。これらの因子を組み合わせてマーカーとして用いることができれば、臨床応用に適さない、移植後に未分化腫瘍を形成する可能性のあるクローンを分化誘導前に除去することができると期待される。現在は、これらの因子の制御機構について解析し、報告する準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
該当なし
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Strategy for Future Research Activity |
該当なし
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Research Products
(2 results)