2009 Fiscal Year Annual Research Report
目的物質の高精度分離・誘導が可能な単分散磁性ポリマー複合粒子の新規合成法の開発
Project/Area Number |
09J03621
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 紀子 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 複合粒子 / 磁性粒子 / ポリマー粒子 / ソープフリー乳化重合 / 単分散 / 弱電解質性重合開始剤 / 蛍光 / ゼータ電位 |
Research Abstract |
磁性粒子(マグネタイト)をサブミクロンサイズのポリマー粒子内部に包含した「磁性ポリマー複合粒子」を、ソープフリー乳化重合により合成した。ソープフリー乳化重合を利用して、粒径均一性が高く(単分散)、磁性粒子含有率が高い複合粒子を合成するためには、系内に磁性粒子が共存してもポリマー粒子の分散安定性が維持される重合法を確立することが必要となる。そこで本研究では、重合pHによってイオン基の解離状態を調整可能な弱電解質性の重合開始剤を導入し、重合中のポリマー粒子の表面電荷を制御した。その上で、ポリマー粒子形成機構に基づき、成長過程にある単分散なポリマー粒子に磁性粒子を取り込ませ、その後もポリマー粒子を静電的に安定な状態で成長させることによって、高単分散な複合粒子の合成に成功した。このとき、ポリマー粒子と磁性粒子の複合化過程を検討するため、重合中の複合粒子の表面電位(ゼータ電位)も測定した。その結果、粒子形成過程にあるポリマー粒子の表面電位を低下させることなく、添加した磁性粒子がポリマー粒子に取り込まれることを実証した。磁性粒子の添加方法に関しては、一括添加よりも少量ずつ連続的に添加する方が、単分散性を損なうことなく複合化できることがわかった。また、磁性粒子を連続的に添加する重合系に邪魔板を導入することで、添加後の磁性粒子の分散混合が促進され、複合粒子中の磁性粒子含有量の均一性を高めることができた。さらに、各試薬濃度や磁性粒子の添加時期などを検討し、これまでサブミクロンサイズであった複合粒子の粒径を1μmまで大きくすることを可能にした。また、蛍光色素(ピレン)をモノマーに溶解した重合系に、磁性ナノ粒子を連続添加しながら重合を進めたところ、磁性と蛍光の両特性を併せ持つ単分散なポリマー複合粒子が得られた。
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Research Products
(6 results)