2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度レーザー干渉計による巨視的力学系の標準量子限界の研究
Project/Area Number |
09J03624
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 匠 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レーザー干渉計 / 精密計測 / 量子雑音 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、まず、干渉計の目標感度達成に向けたパラメータの詳細検討を行った。設計段階においては、多くの系のパラメータが様々な雑音源と密接に絡み合っていることを一つ一つ評価していく必要がある。鏡の質量、量子限界感度を実現する周波数から目標感度を定め、それらに対して他の雑音源がどのように寄与してくるか、について学会にて2件報告した。 また、国立天文台において微小質量の懸架鏡を用いた輻射圧実験を行っているグループと緊密な議論を交わし、実験について多くの意見を得た。国立天文台で行われている研究は我々のものと関心が非常に近いため、共同研究という形を取って研究を進めていくこととした。このことにより、より多くの研究者と議論をすることができ、また設備としても充実した環境で実験を進めていくことができるので、本研究の推進に有効であると考えたからである。 現在国立天文台で行われている実験は、振動子型ではなく懸架された鏡を用いた、「自由質量型」と呼ばれるタイプである。このタイプの利点としては、振動子型に比べて感度の面で制約が緩くなることである。そこで、自由質量型で実験を進めながら、他の方式を用いることも併せて検討を進めることとした。特に、輻射圧雑音の面でより制約が緩くなる、現在用いている1064nmのレーザーから波長変換で532nmを得る手法についても検討を行った。 国立天文台における実験においては、超軽量鏡を用いたFabry-Perot共振器の安定動作に成功し、感度取得および雑音の推定を行った。これらについて学会において2件報告した。系の感度は多くの技術的雑音に制限されているため、それらを一つずつ克服していくことが今後の課題として残された。また、共振器の制御上の問題なども明らかになり、それらに向けた対策に着手した。
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Research Products
(4 results)