2009 Fiscal Year Annual Research Report
J-PARCでのハイパー核ガンマ線分光による核内バリオンの性質変化の研究
Project/Area Number |
09J03641
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
細見 健二 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ハイパー核 / ストレンジネス / ラムダ・核子相互作用 / J-PARC / ガンマ線分光 |
Research Abstract |
我々は茨城県東海村に建設された大強度陽子加速器施設J-PARCにおいて、(K^-,π^-)反応によるΛハイパー核のガンマ線分光実験を計画している。実験では、新たに建設する大立体角ゲルマニウム検出器群Hyperball-JとSksMinus磁気スペクトメータシステムを導入し、大強度のK^-ビームを用いて高統計、高精度で^7_ΛLiハイパー核のspin-flipM1遷移(3/2^+→1/2^+)ガンマ線を測定する。このM1遷移ガンマ線はΛのスピン反転に起因しており、崩壊寿命から換算遷移確率を求めることで、ハイパー核内でのΛの磁気モーメントを間接的に測定できる(Λの寿命が短いため直接測定は困難)。それにより、真空中でのΛの磁気モーメントと比較することで、有限密度内でのバリオンの性質変化を初めて検証することを目的とする。 21年度における研究として、Hyperball-Jの建設を行った。PWO結晶を使ったバックグラウンドサプレッサーに関して、集光率が最適となるセットアップを決め、冷却システムを製造した。検出器フレームの建設と駆動系の制御プログラムの開発も平行して行い、動作テストの結果問題なく動作することを確認した。新しいデータ収集系に必須となるモジュールの開発を行い、テストベンチで問題なく動作することを確認した。J-PARC K1.8ビームラインにおいて検出器の設置、ケーブル配線を行い、テストビームを使って各検出器からの測定データが正しく読めていることを確認した。
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Research Products
(3 results)