2010 Fiscal Year Annual Research Report
賃金構造とインセンティブの諸理論に関する実証的研究
Project/Area Number |
09J03653
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
参鍋 篤司 神戸大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 賃金 / 賃金格差 / 結婚 / 非正規労働 / 迷信 |
Research Abstract |
研究目的において、賃金格差の構造について実証的研究を行うことを第一の目的として挙げていた。本年度においては、この課題について、三つの角度から、検討した。 第一に、学校卒業後についた第一番目の職業が正規一非正規かどうかにより、男女それぞれでどのような賃金格差を生じさせるのかについて、実証的に検討した。また、それらの結果が、男女それぞれの結婚行動(タイミング及び配偶者の選択)にどのような影響を及ぼしてきたのかを検討することにより、少子化問題及び格差拡大の今後の展望についてのインプリケーションを得た。この結果は、The Effect of the Increase in Non-Standard Jobs on Future Income and Marriage Outcomes in Japan と題した論文にまとめられ、Bryn Mawr Collegeで2011年2月3-4日に行われた、International Symposium on Risk,Social Stratification and Institutional Changesというコンファレンスで発表された。この論文は何らかの形でパブリッシュされる予定である。 第二に、日本における迷信(丙午生まれの女性についてなど)と、それらが及ぼす賃金への影響、また結婚行動(タイミング及び配偶者の選択)への影響について、実証的に検討した。この論文は現在学術雑誌へ投稿中であり、今後査読付き雑誌において発表されることを目指す。 第三に、賃金格差(主観的・客観的)が幸福度へ及ぼす影響について検討した。The relative utility hypothesis with and without self-reported reference wages.と題して論文として発表された。なお、これら二つの論文は主として英国オックスフォード大学において在外研究を行っていた時期において書かれた。
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Research Products
(5 results)