2009 Fiscal Year Annual Research Report
起床後の覚醒度低下対策としての自己覚醒の精神生理学的検討
Project/Area Number |
09J03662
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 大樹 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自己覚醒 / 眠気 / 日中機能 |
Research Abstract |
【研究目的】本年度は、自己覚醒が日中の眠気予防に有効であるかを検討することを目的に実験を実施した。 【研究方法】自己覚醒習慣のない健常大学生・大学院生11名を対象に実験を実施した。参加者は自宅で1週間の生活統制を実施し、その後、実験室実験を行い、日中の覚醒度を測定した。なお、生活統制期間中は、毎朝強制覚醒あるいは自己覚醒した。その後、再びもう一方の覚醒方法で自宅での1週間の生活統制と実験室実験を実施した。 【研究成果】自己覚醒習慣がない者でも1週間の自己覚醒訓練で80%が自己覚醒できたこと、また、自己覚醒をした方しが、日中の覚醒度が主観的にも行動的にも高くなっていたことが示された。このことから、自己覚醒は目中の眠気予防に有効であることが示された。 【意義】日中の眠気は、学生であれば授業中の居眠りや集中力の散漫につながる。さらに勤労者であれば、作業効率の低下や交通事故・産業事故につながることが報告されている。本研究成果により、この日中の眠気を予防する手段として自己覚醒が有効であることを新たに示すことができた。 【重要性】従来、日中の眠気予防の手段として、仮眠や高照度光照射などが有効であることが示されてきた。しかし、仮眠は学校や職場の環境によっては実施が難しく、また、高照度光照射は初期・継続費用がかかることなどの問題があった。一方、自己覚醒は、1週間の訓練で8割以上の者が可能となり、かっ日中の職場環境にとらわれず、費用もかからない手法である。このことから、本研究成果は誰でも可能である簡便な眠気予防法を確立したといえる。
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Research Products
(8 results)