2010 Fiscal Year Annual Research Report
天然毒と生体高分子の相互作用に基づく毒性発現メカニズムの解明
Project/Area Number |
09J03683
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 朋子 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アフィニティ樹脂 / 標的タンパク質 / ミクロシスチン-LR |
Research Abstract |
昨年度まで,独自の手法により開発したアフィニティ樹脂(Moli-gelと呼称している)の表面化学特性について精査し,また,担持する生理活性物質の周りの環境を制御することにより,標的タンパク質の捕捉に有利になることを実験的に証明してきた。本年度もさらに,細胞膜表面と同じ構造を有する2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine(親水的側鎖を有する)を用いて,Moli-gelに担持した4-carboxybenzenesulfonamideの周りの環境を制御し,タンパク質捕捉実験を行った。結果,予想通り,4-carboxybenzenesulfonamideの標的タンパク質であるCarbonic anhydraseII(親水的環境に存在)の捕捉を有利にできることがわかった。 さらに,本年度は,湖沼等の淡水で産生される藍藻毒の一つであるミクロシスチン-LRの標的タンパク質探索を行った。ミクロシスチンが有するビニル基,または,カルボキシル基の異なる官能基をそれぞれ反応点としてMoli-gelに担持し,ブタ肝臓から調製したlysateを用いてタンパク質捕捉試験を行った。さらに,捕捉したタンパク質をSDS-PAGEにより分離し,バンドをゲルから切り出し,トリプシンを用いてゲル内で消化した後,LC-MS,および,Mascot databaseによりタンパク質を解析した。その結果,L-3-hydroxyacyl CoA dehydrogenase (HDHA)や,glutathione S-transferase (GST)が標的タンパク質の候補として挙げられた。ミクロシスチン-LRの新たな標的タンパク質候補を検索することに成功した。
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Research Products
(6 results)