2011 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活下における肥満抑制因子としての非運動性身体活動と24時間脂質酸化能の役割
Project/Area Number |
09J03696
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
大河原 一憲 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | エネルギー代謝 / 脂質酸化脳 / 運動 / 身体活動 |
Research Abstract |
「日常生活下における肥満抑制因子としての非運動性身体活動と24時間脂質酸化能の役割」という研究課題のもと、肥満予防と身体活動および24時間脂質酸化能との関連について検討してきた。家事などを含む「非運動性身体活動:NEAT」が近年特に注目されているが、我々はこれまで困難であった自由生活下でのNEATの定量化を高い精度でおこなうため、3次元加速度計を用いた新たなアルゴリズムを開発(Ohkawara et al.,Br J Nutr,2011)し、本研究課題の解決に用いた。また、これまで先行研究で行なわれてきたような短時間の脂質酸化量から検討するだけでは、その後の食事摂取や身体活動の影響を考慮できず、日常生活での状況を十分に反映する結果を示すことができていなかった。そこで、本研究ではヒューマンカロリメータ(エネルギー代謝測定室)を用い、統制された条件下で24時間の脂質酸化量を測定し、肥満抑制との関連についてより精度の高い方法で検討を試みた。本年度は最終年度の3年目にあたる。検討課題のひとつは研究開始初年度より中田由夫氏(筑波大学医学医療系)との共同研究により進めてきており、現在までにデータをすべて取得できた。実験デザインは、肥満者をコントロール群、弱介入群、強介入群の3群に分け、6ヶ月の減量介入を行ない、その後2年間のフォローアップ調査をおこなうRCT試験(Nakata et al.,Obesity facts,2011)である。現在はデータの処理を進めているが、そのうちの減量前後によるデータを用いて解析した結果は本年度5月に開催されたアメリカスポーツ医学会にて口頭発表した。また、採用期間中に米国コロラド大学デンバー校ヘルスサイエンスセンターのDr.Melansonのもとへ研究留学し、実験を遂行することができた。その研究成果は本年度のThe 29th Annual Scientific Meeting of the Obesity Societyおよび2nd international conference on recent advances and controversies in measuring energy metabolismにて口頭発表した。さらに、採用期間中に実施してきた研究内容をまとめた形でThe 16th European College of Sports Scienceにてシンポジストとして口頭発表した。現在論文投稿に向けて準備中の研究成果が多いが、本年度中もいくつかの研究成果が論文化されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始時は3つの具体的な課題を設定し、これらの課題に従って実験を行なってきた。本年度は最終年度の3年目にあたる。概ね順調に進行してきており、研究を遂行していく過程で本研究課題をより発展させるために必要な新たな研究アイディアが得られ、本年度はそれらについても取り組み始めた。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間の採用期間で当初計画した研究課題は概ね順調に遂行でき、さまざまな研究者とのコラボレーションから当分野に関した幅広い知識を得られた。これらをもとに新たな研究アイディアが得られ、本研究課題をより発展させるための研究課題を検討中である。今後は新たな課題の実施とともに、これまでに得られたデータの論文化をおこなっていく。
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Research Products
(19 results)