2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03746
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梶原 正俊 Kyoto University, 物質-細胞統合システム拠点, 特別研究員(DC2)
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Keywords | iPS細胞 / 肝細胞 |
Research Abstract |
本研究は体細胞から樹立された多能性幹細胞であるiPS細胞を用い、肝細胞への分化能力を検討することを目的としている。平成21年度の計画として、 (1)ヒトiPS細胞からin vitroで肝細胞を分化誘導するための至適条件の確立 (2)in vitroで分化誘導を行った細胞に対する機能評価 (3)セルソーターを用いた未分化細胞除去法の確立の3点を挙げた。 まず(1)に関して、ヒトES細胞からin vitroで肝細胞を誘導する既報の培養プロトコールを参考とし、ヒトiPS細胞から肝細胞を分化誘導するプロトコールを作製した。分化誘導後のヒトiPS細胞はヒトES細胞を使用した場合と同様に、肝初代培養細胞様の形態を示した。 (2)に関して、肝細胞様に分化したヒトiPS細胞はRT-PCRおよび免疫染色にて肝細胞マーカーの発現を示した。またPAS染色による糖産生能、アルブミン分泌能、アンモニア代謝能、CYP活性などの肝細胞特有の生理学的機能を有することも確認された。 当初、分化誘導後の細胞集団の中に未分化iPS細胞の残存が危惧されたため、(3)「未分化細胞除去法の確立」を計画として挙げた。ところが実際に分化誘導の実験を行ってみると、現在使用しているプロトコールにおいては、肝細胞様に分化した細胞以外の細胞は未分化iPS細胞であることはまれで、多くは間葉系細胞の特徴を有する細胞であることがわかった。現在、肝細胞様に分化したヒトiPS細胞のみを選別するために、セルソーターを用いた肝細胞マーカーによるポジティブセレクション、間葉系マーカーによるネガティブセレクションを検討している。
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