2010 Fiscal Year Annual Research Report
胃の分化及び胃癌発症における転写因子SOX2の発現調節機構と機能の解析
Project/Area Number |
09J03751
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大坪 武史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | SOX2 / microRNA / 胃がん / 分化異常 |
Research Abstract |
1.SOX2を標的とするmiRNAの探索と解析 SOX2を標的とするmicroRNA-126(miR-126)が胃癌細胞の増殖・伸展にどのような影響を及ぼすかを明らかにする為、胃癌細胞株にmiR-126を導入後の足場依存的及び非依存的増殖能を解析した結果、miR-126を導入した胃がん細胞株では足場依存・非依存的細胞増殖の亢進が認められた。また、複数の胃がん細胞株でAnti-miR-126 inhibitorにより内在性のmiR-126を抑制したところSOX2の発現上昇を確認した。さらに、胃がん症例においてmiR-126とSOX2の発現を調べた結果、SOX2発現の低下している一部の胃がん症例でmiR-126の有意な発現上昇が認められ、miR-126の生理学的な意義をより明らかにした。 2.腸でSox2を異所的に発現させる遺伝子改変マウスの解析 作成した遺伝子改変マウス腸上皮のどの細胞でSox2が発現しているかを明らかにする為、免疫組織化学染色を行ったところ、遺伝子改変マウスの小腸上皮の腺窩から絨毛にかけてSox2陽性の細胞が認められた。次に、小腸においてRT-PCRにより様々な分化マーカーの発現を調べたところ、一部の遺伝子改変マウスでMuc5acやMuc6を始めとする様々な胃の分化マーカーの発現上昇が認められた。一方、このような遺伝子発現変化が病理学的にどのような影響を与えるかを明らかにする為、この遺伝子改変マウスを長期飼育したが、2年齢のマウスでもがんを始めとする顕著な病変は認められなかった。
|
Research Products
(11 results)