2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポテンシャルプログラミングによるπ共役デンドリマーの創製
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09J03765
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山下 建 (アルブレヒト 建) 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | デンドリマー / カルバゾール / フェニルアゾメチン / ホール輸送材料 / ポテンシャル勾配 |
Research Abstract |
樹状に連結されたカルバゾールデンドロン内には自発的に外層が電子リッチなポテンシャル勾配が生じることを報告している。このデンドロンを外層に、金属集積能を有するフェニルアゾメチンを内層に配置したダブルレイヤー型のデンドロンを設計した。コアとして3次元的に広がったテトラフェニルメタンを選択し、新規な4置換デンドリマーを合成した。このデンドリマーは10%熱重量減少が550℃を超える極めて高い耐熱性とアゾメチン骨格由来の金属集積能を有しており高効率なホール輸送材料として期待される。しかし一般的に、このような高分子系のホール輸送材料は積層が困難とされている。この問題点を解決するためにデンドリマー末端のカルバゾール基の3,6-位での酸化カップリングによる架橋を用いた不溶化とパターニングを検討した。デンドリマーのサイクリックボルタンメトリーは電解重合に特有のサイクルごとの電流値の上昇を示し、電解重合膜が得られることが明らかとなった。この現象を利用し、Current Sensing AFM (CSAFM)を用いてデンドリマー薄膜のパターニングを試みた。CSAFMにより電圧を印加しながら操作した部位の導電性の変化が観測され、薄膜の直接的なパターニングが可能であることが示された。さらに、このような酸化ガップリング重合が紫外光の照射によっても生起することを見出した。フォトマスクを用いたパターニングが可能であることも確認しており新規なホール輸送材料として現在有機EL等のデバイスへと使用されることが期待される。
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Research Products
(2 results)