2009 Fiscal Year Annual Research Report
心臓壁収縮弛緩特性の超音波計測の高精度化による心筋拍動の生理学的解明
Project/Area Number |
09J03798
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本庄 泰徳 Tohoku University, 大学院・医工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | スペックルトラッキング / スペックルサイズ / 2次元変位計測 / In Vivo計測 / Parallel Beam Forming |
Research Abstract |
本研究の目的は,心筋の収縮弛緩能の定量的評価法に関して,従来よりも空間・時間分解能を飛躍的に向上させた高精度な2次元方向の心筋の厚み変化速度のイメージングを可能とし,臨床応用可能な方法として確立するとともに心臓壁の収縮弛緩特性の生理学的解明を目指している. 当該年度は,スペックルトラッキング法(スペックルパターンの特徴的な性質を利用して,心臓壁の2次元的な挙動を追従)の(1)高時間分解能化と(2)パラメータ(相関窓)の最適化を行った. (1)高時間分解能化:高速な超音波送受信(Parallel Beam Forming : PBF)によって超音波RF信号の高フレームレート計測を行った.従来のスペックルトラッキング法を行う際のフレームレートが約200Hzに対してフレームレート1020Hzを実現した. (2)パラメータの最適化:PBFによって取得した超音波RF信号を用いて,スペックルトラッキング法に用いるパラメータ(相関窓幅)の最適な大きさを基礎実験によって定量的に決定し,高精度化を行った.従来の窓幅は,定量的な検討が十分になされておらず,様々な大きさが用いられてきた.そこで本研究は,スペックルの大きさは媒質中の散乱体分布には依存せずに,用いる超音波ビームの点拡がり関数によって支配されるという統計的な性質をもとに,用いる超音波プローブから走査される超音波ビームの幅とパルスの半値幅から相関窓幅を決定した.超音波ビームの音場から決定することで,使用する超音波の仕様により普遍的に窓幅を決定できる.また,(1),(2)で行った内容を心臓壁に適用することで,従来連続的に観察することが困難だった短い時間区間の速い挙動を連続的に観察することが可能となった. さらに研究成果の発表や情報収集のために国内学会7件および,研究成果のまとめとして学会誌に論文を投稿し公表した.
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Research Products
(5 results)