2009 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンD及びリトコール酸の受容体であるビタミンD受容体のリガンド選択的作用機構
Project/Area Number |
09J03828
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石澤 通康 Nihon University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ビタミンD / リトコール酸 / 胆汁酸 / ビタミンD受容体 / ビタミンD受容体欠損マウス / 大腸がん / 核内受容体 / カルシウムチャネル |
Research Abstract |
リガンド依存性転写因子ビタミンD受容体のリガンド選択的作用機構解明を目的とし、細胞及び動物での研究を進めた。(1)細胞での研究:先行研究では腸管由来細胞株を用い、VDR標的遺伝子でありカルシウムチャネルであるtransient receptor potential vanilloid 6(TRPV6)の転写誘導パターンは2種類のVDRリガンド活性型ビタミンD_3と胆汁酸lithocholic acid(LCA)誘導体において異なることを見出した。リガンド選択的な転写誘導機構の解明のため、各種mitogen activated protein kinase(MAPK)阻害剤の効果を検討したところ、活性型ビタミンD_3依存性TRPV6転写誘導はp38阻害剤によって阻害された。活性型ビタミンD_3と同程度にTRPV6を転写誘導するLCA誘導体濃度では、p38阻害剤による阻害はみられなかった。(2)動物での研究:マウスでの先行研究では、1αヒドロキシビタミンD_3とLCA誘導体は、VDR標的遺伝子Cytochrome P450 24al(Cyp24al)を同程度誘導するが、1αヒドロキシビタミンD_3で見られるTrpv6の転写誘導と血中カルシウム濃度上昇は、LCA誘導体では見られなかった。胆汁酸反応性VDR標的遺伝子の探索のため、野生型マウスに活性型ビタミンD_3又はLCAを投与し、VDR標的臓器(十二指腸、空腸、回腸、大腸、腎臓)でのCyp24a1転写誘導を評価した。活性型ビタミンD_3はすべての組織でCyp24alを転写誘導したが、LCAは腸管でのみCyp24alを転写誘導した。腸管における活性型ビタミンD_3の効果は、十二指腸及び空腸で強かったが、LCAの効果は回腸で最も強かった。VDRヘテロ型マウスとVDR欠損マウスにLCAを投与し、回腸での網羅的遺伝子解析を行い、VDR依存性に発現変化する遺伝子解析を行っている。本研究成果は、胆汁酸代謝関連の病態機構解明に有用である。
|
Research Products
(1 results)