2010 Fiscal Year Annual Research Report
キク科植物由来の植物他感分子の設計、合成、機能及び医薬・農薬への展開
Project/Area Number |
09J03899
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松尾 和真 九州大学, 先導物質化学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 銅触媒 / Wittig反応 / アレロパシー / xanthanolide / ラクトン化 / 非対称化 |
Research Abstract |
本研究ではxanthanolide類の合成において見出したWittig-ラクトン化反応の改良及び本反応を用いた種々のアレロケミカルの合成、構造活性相関研究、ケミカルアレロパシーの機構解明を目指したバイオプローブの創製を行うことを目的としている。また、本研究過程で見出したアレロケミカルの合成に有用と考えられる非対称S,O-マロン酸エステルの選択的合成に関しても検討した。 1,銅触媒タンデムアシル化-Wittigラクトン化反応のアレロケミカルの合成への応用 タンデムアシル化Wittig-ラクトン化反応を用い、植物やセルロース由来の煙より単離、構造決定された強力な発芽促進物質であるkarrikinolideの合成を行った。D-xyloseより誘導した鍵中間体である不安定アシロインに対し本ラクトン化反応を適用したところ、目的のブテノリドを良好な収率で得ることができ、本ラクトン化反応が不安定なアシロインにも適用可能であることを見出した。その後、2段階でkarrikinolideへと導き効率的合成法の開発に成功した。また、得られたkarrikinolide及びその誘導体を用いて、バイオプローブの創製を視野に入れた構造活性相関研究を行った。報告例のないレタスの幼根伸長阻害活性を行った結果、karrikinolideの必須骨格を推定することに成功した。 2,S,S'-ジフェニルジチオマロン酸エステルの非対称化反応の開発 アレロケミカルや他の天然物の合成に有用なビルディングブロックとして期待できる、非対称S,O-マロン酸エステルの選択的合成を検討した。その結果、本反応が種々のアルコールに対し高い一般性を有することを見出した。また、銅触媒の添加効果により反応の加速に成功し、他の官能基への変換にも成功したことから、S,O-マロン酸エステルが有用な合成素子であることを示すことができた。
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Research Products
(6 results)