2010 Fiscal Year Annual Research Report
山地域の水・物質移動過程に関する数値流体工学的研究
Project/Area Number |
09J03902
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安 賢旭 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 飽和不飽和流 / Richards式 / 斜面流動 |
Research Abstract |
山地域の水・物質移動過程を詳細に解釈できる数値モデルを開発することを目的として研究を進めてきた。水・物質移動モデルの基本になるモデルが飽和不飽和流れのモデルであり、前年度は飽和不飽和流モデルを一般座標系に適用できるように拡張を行った。有限差分モデルは有限要素法に比べデータ処理の簡便さ、コーディングの容易さ、水収支保存性という点で優れているが、様々な地形に対する適用性が悪いため、最近では非構造格子を用いた有限要素法がより広く用いられている。一般座標系を用いて有限差分モデルを構成することで有限差分モデルの有利な点を保ちながら、曲面を含んだ領域を考慮うすることができるようになった。開発したモデルを代表的な有限要素モデルと比較し、そのパフォーマンスを比較した。 飽和不飽和流の支配方程式は高い非線形性のため、安定的に数値計算を行うには、反復計算による陰解法が要求される。一般的に反復計算による陰解法は陽解法に比べ計算コストが高く、三次元問題を解く場合にはその計算コストが問題になることが多い。そこで、一般座標系による飽和・不飽和流モデルにおいて、三種類の反復計算法(Newton法、Picard法、Newton-Krylov法)の性能を比較し、より効率的な反復手法を探すともに、その要因を分析した。これによって、Newton-Krylov法は速く収束するが、一回の反復計算ごとにかかる計算コストが高く、Newton法やPicard法はNewton-krylov法よりゆっくり収束するが、一回の反復計算のコストが比較的に低いことを示し、、さらに、Newton法が全般的にPicard法より収束が速いことを示した。格子の歪み度が高くない場合、Newton法の計算効率が高く、格子の歪み度がに高い場合もしくは土質の異方性が非常に大きい場合、Picard法やNewton-Krylov法の計算効率が高いということが数値計算により分かるようになった。
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Research Products
(3 results)