2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J03921
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 宏道 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | RNA医薬品 / 機能性RNA / 発酵生産 / 海洋性光合成細菌 / Rhodovulum sulfidophilum / 菌体外核酸 / 転写プロモーター / プラスミドDNA |
Research Abstract |
機能性RNA(リボザイム、RNAアフタマー、siRNA)は遺伝子発現制御機能を有することから、様々な疾患に対する夢の新薬として期待されており、事実、医薬品として利用されつつある。このため今後機能性RNAの高い需要が予期されることから、機能性RNAの大量生産技術は必要不可欠である。しかし機能性RNAの大量生産を目指す際、現存するRNA合成法ではコスト、簡便性の面で多くの問題を抱えている,そこで解決策として培養液中へ自身のDNA、RNAを放出する海洋性光合成細菌Rhodovulum sulfidophilumを用い、機能性RNAを発酵生産させることを考案した。現在までに本菌由来の転写プロモーターとその下流に機能性RNA配列を組込んだプラスミドDNAを本菌へ導入することにより、機能性RNAを培養液中へ生産させることに成功している。しかし現時点における問題点として機能性RNAの生産量が多くないことが挙けられた。 そこで当該年度においても昨年度と同様に、機能性RNAの生産量増大を目指した。方法として 1.菌体内で機能性RNAを合成するための高活性転写プロモーターの更なる改良 2.機能性RNA遺伝子を組込んだ高コピー数プラスミドDNAの利用 1.においては、以前まで用いてきた高活性転写プロモーターよりもおよそ2倍の機能性RNAの生産量を示すプロモーターを得ることができた。2.においては、以前まで用いてきたプラスミドDNAの細胞内コピー数の3倍程度の新たなプラスミドDNAを用いることで、機能性RNAの生産量を2~3倍程度増加させることに成功した。以前までの比較として機能性RNAの生産量は全体で約5倍量増加させることに成功し、このこと基現存するRNA合成法の合成量に大きく近づいたと言える。産業的応用には更なる機能性RNAの生産量増大は必要であるが、本年度の結果は本菌を用いた機能性RNAの発酵生産の実用化に向け、大きく貢献した。
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Research Products
(4 results)