2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分散分光観測による前主系列星の新たな年齢決定方法の確立
Project/Area Number |
09J03944
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高木 悠平 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 星惑星形成 / 前主系列星 |
Research Abstract |
本研究では、前主系列星やそれに付随する原始惑星系円盤、双極分子流の進化過程をより詳細に学ぶために、前主系列星の年齢をより正確に求める新たな手法を確立することを目的としている。従来の年齢決定法では、距離、減光、ベーリングなどから生じる光度の不定性が大きな問題となっていたが、本研究では高分散分光観測から前主系列星の表面重力を導出することで、正しい年齢を求めることができる。今年度の主な成果として、4200Kの有効温度を持つ前主系列星の年齢を、可視光域のFeとNaの吸収線の等価幅比を用いて高い精度で決定する手法を確立したことが挙げられる。この研究成果は2009年9月に開催された日本天文学会をはじめとした国内の研究会、また2009年5月の"Joint Subaru/Gemini Science Conference"や2009年11月にドイツで行われた"From Circumstellar Disks to Planetary Systems"などの国際研究会で発表した。さらに、"Publications of the Astronomcal Society of Japan"に"Age-Determination Method of Pre-Main Sequence Stars with High-Resolution I-Band Spectroscopy"というタイトルで論文を投稿し、2010年2月に受理された。 また、本研究の手法の汎用性を高めるために、4200K以外の有効温度をもつ天体に対する年齢決定法を確立するために、2009年5月にすばる望遠鏡で、2009年11月に岡山天体物理観測所でそれぞれ観測を行い、良質のデータを得ることに成功した。
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Research Products
(6 results)