2009 Fiscal Year Annual Research Report
ジンバブエ再入植地域におけるコミュニティー形成に関する研究
Project/Area Number |
09J03970
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井戸 雄大 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 再入植地 / 保有地の拡大 |
Research Abstract |
2009年度は、2009年2月から2009年7月まで、ジンバブウェの再入植地域で、現地調査を行った。現地調査では、各世帯が保有する土地の面積をGPS受信機器で実測し、各世帯が保有する土地の面積を明らかにしました。その結果、各世帯が保有する土地の面積が政府から与えられた土地の面積5haを大きく超える土地を保有していることが明らかになり、各世帯独自に保有地を開墾し、農地を拡大していました。 各世帯保有地を拡大してはいますが、世帯の中には、保有する土地をほとんど利用していない世帯が存在していることが明らかになりました。この背景として、世帯が保有する労働人口の不足が大きな原因と考えられます。これら一連の保有地の拡大は、1980年の開村から行われてきていましたが、2000年に土地管理主体が、地域の開発委員会から、伝統的首長に移譲されて以降より活発に行われている実態を明らかにすることができました。この管理主体の変化によって、再入植地の中に新たな村落が建設されており、再入植世帯の第2世代や他の地域の土地無し層が、この新村へ移住を果たしています。この新村の建設は、再入植地の未利用地が伝統的土地慣習法に基づいて管理されているという典型的な出来事であり、再入植地の伝統的首長の役割が大きく増加していることが明らかになりました。 再入植地が再入植地に住む第2世代だけでなく、他の地域の人々にも開かれたことによって、多くの人々に土地へのアクセスの機会が開かれ、再入植民とその他の土地無し層との土地分配の不平等性は解消したと考えられる。しかし、大規模な未利用地の開墾が進み、森林面積が減少していることから、今後の再入植地の生業活動への影響が懸念される。
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Research Products
(1 results)