2009 Fiscal Year Annual Research Report
全球雷放電・高高度放電発光現象活動の観測と地球電流系モデルに対する考察
Project/Area Number |
09J04009
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山下 幸三 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | グローバルサーキット / 落雷 / ELF帯電磁場 / 大気電気学 |
Research Abstract |
近年の大気電気学分野における重要な研究項目の一つとして、従来から存在が指摘されていたが、その全容が未だ解明されていない大気圏における電流回路(Global Electric Circuit:以下グローバルサーキット)の存在が挙げられる。同回路内においては対流圏下部から電離圏下部に向かって常時1-2kAの上向き方向の電荷移動が存在し[Ogawa et al.,1977]、その電流駆動源として雷放電活動、雷雲活動、降雨活動が想定されている。しかし、どのプロセスがどの程度の電荷移動を駆動しているのかという定量的評価は十分に行われていない。 本年度、申請者の研究における主目的は、電流駆動源としての全球落雷活動のグローバルサーキットへの寄与を実験的見地から定量的に考察する事にあった。全球落雷活動による電荷移動量を推定する上では、個々の落雷に対する位置推定と共に、極性、そしてエネルギーに対応する電気的規模(中和電荷モーメント:Qdl)の導出が可能であるELF帯電磁場データの解析が本質的アプローチと言える。従来研究では、巨大雷(|Qdl|>1000C-km)の全球活動が約700kmの位置推定精度で導出されているが、主たる電流の担い手と考えられる非巨大落雷は推定位置・Qdlの計算精度の問題から解析対象とされていない。そこで申請者は、非巨大落雷を含んだ全球落雷活動モニタリングに必要な新アルゴリズムの開発を行い、所属グループが保有する世界4観測点による1-100Hz帯磁場観測網データに適用した。結果、比較的小規模な落雷(|Qdl|>470[C-km])の全球分布を670kmの位置推定精度で導出することを可能にした。この成果により、従来研究の10-30倍の検出感度で全球落雷分布の導出を行い、非巨大雷を含めた落雷活動の詳細な時空間変化に対する考察を可能にしたと共に、世界に先駆けて全球の非巨大落雷を含めた落雷活動による電荷移動量の三次元的構造を示した。同結果を第126回地球電磁気・地球惑星圏学会(金沢)にて発表し、優秀発表学生に選出された。
|
-
-
[Journal Article] Ground-Based Detection of Sprites and their Parent Lightning Flashes over Africa during the 2006 AMMA Campaign2009
Author(s)
Williams, E., W.Lyons, Y.Hobara, V.Mushtak, N.Asencio, R.Boldi, J.Bor, S.Cummer, E.Greenberg, M.Hayakawa, R.Holzworth, V.Kotroni, J.Li, C.Morales, T.Nelson, C.Price, B.Russell, G.Satori, K.Shirahata, Y.Takahashi, K.Yamashita
-
Journal Title
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-