2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代イスラーム女性の生/性と聖典の社会機能――地域間比較による人類学的研究
Project/Area Number |
09J04031
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小杉 麻李亜 Kyoto University, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 宗教人類学 / 聖典 / 宗教 / イスラーム / エジプト:インドネシア |
Research Abstract |
本研究課題に関する今年度の具体的な内容は、(1)前年度に修了した博士論文の出版に向けた作業、(2)学会における博士論文の成果の公表、(3)本研究課題のための理論的枠組の構築作業、(4)現地調査、(5)クルアーン会議における欧米研究者との研究交流、次回会議(2011年)に向けた意見交換、の5点である。特に(3)について、博士論文の成果の上に、さらに聖典の社会機能を人類学的にいかに位置づけるかを、5月の文化人類学会において議論した。8月にキルギス・トルコ・マナス大学(ビシケク)において開催された国際会議で、博士論文において打ち立てた「口誦性」と「テクスト性」を統合する独自の理論を発展させ、アラブ、トルコを中心としたイスラーム圏の研究者および欧米の研究者に対して発表し、強い賛同を得た。一方、7月には本研究課題の重要な一部分となるクルアーン・グッズ研究について、新しく開発された時空間情報システムを導入する試みを発表した。12月には博士論文および2009年の成果をまとめ、「文化交渉学」の観点から他の分野(東洋美術史、アジア交渉学、比較宗教学等)にどのような貢献があるかを発表し、活発な討論があった。 また(4)について、2009年8月:ビシケク(キルギス)におけるクルアーン・グッズおよび断食実践の調査、2010年2~3月:ジャカルタ、カイロにおけるクルアーン校閲システム、古写本、朗誦実践等の調査をおこなった。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2010
Author(s)
西尾哲夫, ほか編
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Journal Title
アラブ世界の音文化-グローバル・コミュニケーションへのいざない(スタイルノート)
Pages: 150-163
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