2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工多能性幹細胞から分化誘導した細胞における腫瘍化リスクの軽減
Project/Area Number |
09J04042
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田邊 剛士 京都大学, iPS細胞研究所, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | リプログラミング / iPS細胞 / LIN28 |
Research Abstract |
人工多能性幹細胞(iPS細胞)はOct3/4,Sox2,Klf4,c-Myc(YM-4)を用いて作製されてきた。この4遺伝子からc-Mycを除いて(YM-3)もiPS細胞は作製できる。開発当初、iPS細胞はウイルスを使用して、これ等の遺伝子を細胞に導入することで作製された。しかし、ウイルスはリプログラグラミング因子をゲノムにっ挿入するため、ゲノムに傷をつけてしまう可能性がある。結果、作製した細胞が腫瘍化するリスクを持つこととなる。これ回避するために、ゲノムに挿入されないベクターを使用してiPS細胞を作製する方法がある。しかし、この方法でのiPS細胞作製効率は非常に低い。そのため、由来する人が異なると作製できない場合もあり、実用的ではなかった。本研究において、私はリプログラミング因子の一つであるLIN28をYM-4或いはYM-3に加える事によってiPS誘導効率を上げる事を見出した。LIN28を加えて、ゲノムに挿入されないベクターを用いてiPS細胞作製を行ったところ、効率が上昇し、効率よくiPS細胞を作製することが出来た。この事から、腫瘍化リスクが軽減されたiPS細胞の効率的な作製に成功した。さらに、LIN28の作用機序を解き明かすことは、LIN28を使用して作製したiPS細胞を医療に使用するには必要である。現在、LIN28は体細胞の増殖は増やさず、リプログラミングさかけた細胞の増殖を効率良くし、iPS細胞の作製効率を上げる事がわかってきた。一方で、iPS細胞の樹立後において、LIN28を用いて作製したiPS細胞は増殖、遺伝子発現ともにES細胞、YM-4を用いて作製したiPS細胞と同じであった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Journal Article] Efficient and Simple Method to Generate Integration-Free Human iPS Cells.2011
Author(s)
Okita, K., Matsumura, M., Sato, Y., Okada, A., Morizane, A., Okamoto, S., Hong, H., Nakagawa, M., Tanabe, K., Tezuka, K., Shibata, T., Kunisada, T., Takahashil, M., Takahashi, J., Saji, H., Yamanaka, S.
-
Journal Title
Peer Reviewed
-
-
-
-