2009 Fiscal Year Annual Research Report
総合要因を考慮した送電鉄塔の強風応答予測の高精度化と部材振動制御の確立
Project/Area Number |
09J04044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹内 真弓 (藤村 真弓) Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 送電鉄塔 / 強風応答 / 空力減衰 / 減衰同定 / 鉄塔-送電線連成系3次元モデル / 多次元3成分変動風速場 |
Research Abstract |
送電鉄塔の強風に対する安全性を高精度に検証するためには,多次元3成分変動風速場での鉄塔-送電線連成系の強風応答のリアルタイムシミュレーションを行う必要がある。本研究は,変動風速3成分間の相互相関関係や強風下での減衰(空力減衰)特性を,実測データ分析に基づいて定式化することによって,総合要因を考慮した送電鉄塔の強風応答シミュレーション技法を実現する。本年度は以下の手順で研究を進めた。1.送電鉄塔での台風通過時の強風観測記録を分析し,等方性乱流理論の修正モデルを作成することによって,多次元変動風速場シミュレーション実施に必要となる変動風速の主風向成分と鉛直横方向成分間の相互相関係数を近似的に表現できることを示した。2.送電鉄塔の振動特性を考慮した減衰同定手法により明らかにされた実送電鉄塔の減衰特性を適切に評価する鉄塔-送電線連成系の3次元解析モデルを構築して,実送電鉄塔の空力減衰特性の理論的解釈との照合を行った。その結果,強風下にある送電鉄塔の空力減衰の発達には,連成系に作用する平均風速の増大に伴う,送電線部に作用する空力減衰力の増大や幾何学的非線形性の強い送電線部の剛性の増大,さらに送電線部の3次元変形の変化などが強く影響することを明らかにし,送電鉄塔の強風応答予測の高精度化には送電線部の3次元変形を追随できる連成モデルの構築が不可欠であることを示した。1.の成果より,開発済みの主風向成分のみを生成する多次元変動風速場シミュレーションソフトを3成分生成に拡張でき,このソフトで生成した多次元3成分変動風速場を,2.で構築した3次元連成モデルにと与えることで,送電鉄塔の強風応答をより高精度に予測することが可能になる。
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