2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 公則 Waseda University, アジア太平洋研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 軍事環境問題 / 基地汚染 / 基地跡地利用 / 公共性 / 軍用機騒音 |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究全体の目的は、(1)軍事活動が引き起こす環境問題を具体的に明らかにする、(2)現代における公共性概念を提示する、(3)「環境保全のための軍縮」を目指す新たな公共政策のあり方を提示することである。本年度は、以上の目的の中の(1)に重きを置いて研究を進めた。 【研究方法】 現地調査を中心に実施した。それぞれで事前準備を行った上で、4月に沖縄へ、9月に韓国へ、10月にドイツへ、11月に熊本・宮崎へ、3月にアメリカへ赴き、基地汚染、基地跡地利用などに関するヒアリングや資料収集を実施した。このほか、横田基地の軍用機騒音問題に関するヒアリングや資料収集を適宜実施した。また、次年度以降、情報公開請求が実施できるように、この分野に関する日米の第一人者と連絡をとり、情報公開請求実施の方法を学んだ。 【研究成果】 沖縄調査に関しては、『沖縄論』所収の基地跡地利用に関する論文としてまとめることができた。熊本・宮崎調査に関しては、調査の一部を『地球環境の未来を創造する』所収の論文としてまとめることができた。横田調査に関しては、国内外で学会報告を実施するとともに、現在、それらの報告内容を基礎とした論文を学会に投稿中である。韓国調査に関しては、今年度中に基地汚染に関する論文を執筆・投稿し、既に雑誌への論文掲載が決定している。ドイツ、アメリカ調査に関しては、現地で入手した資料を読み進めているところで、成果の発表は来年度以降になる。計画されていた調査を実施した上で、年次計画には入っていなかった沖縄や韓国への調査が実施でき、今年度中にそれらの成果がまとめられた点で、今年度は計画以上の成果があげられたといえるだろう。 これまで研究の対象から外されてきた軍事環境問題の実態を明らかにし、現代的公共性に関する議論の俎上に乗せるための作業として、今年度の研究成果は意義あるものになったと考える。
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Research Products
(4 results)