2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04097
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
植原 亮 Nihon University, 文理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自然主義 / 自然種 / 実在論 / 規約主義 / 指示 / 生物種 / 人工物 |
Research Abstract |
本年度は、一貫した哲学的自然主義の構想の一環として、自然種論を中核とする実在論に関する研究を集中して行った。とくに重点的な課題としたのは、人工物の存在論的身分についての研究であり、人工物の指示や認識に関する先行研究を参照しながら、人工物についての規約主義を批判しつつ、人工物の経験理論の図式を提示することを通じて、それが自然種にある程度近い水準の実在性を備えた対象であることを明らかにした。次に重点的な課題として、生物種の存在論的身分の明確化を目指した。それは、生物種を個体であるとみなす立場を批判しながら、生物種を自然種の一種であるとする見解が最も説得的であることを明らかにするものとなった。そこからさらに、個体と種という古代以来の実体区分が実際には相対的な区分でしかない可能性を考察した。また、以上と並行して、英国経験論から現代に至る自然種論の系譜を描き出す作業も行った。
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Research Products
(1 results)