2012 Fiscal Year Annual Research Report
非定常圧力場計測のための超高感度感圧分子センサ技術の開発と応用
Project/Area Number |
09J04114
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
依田 大輔 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 可視化 / 流体工学 / 先端機能デバイス / 計測工学 / ナノ材料 |
Research Abstract |
従来の圧力計測技術の限界を打ち破る革新的な手法として,今年度は感圧塗料(PSP)を用いた非定常計測技術の開発と高度化に取り組んだ.これまでに本研究を通じて,改良Phase-lock法や条件付画像抽出法といった新たな非定常感圧塗料を提案し,従来技術よりも10倍以上の高い計測精度を得ている.しかしながら,これらの手法は限られた計測対象への適用例しか存在しておらず,計測上の重要点や誤差限界などが統一的に示されてはいなかった. 本年度は上記の非定常感圧塗料技術を一般化し,幅広い非定常流体現象へ適用が可能なことを示した.ここでは,振動フェンス背後の変動圧力場に各感圧塗料技術を適用し,それぞれの感圧塗料技術を比較評価し,特徴や計測上の重要点,精度限界を明確にした.これらの成果により,数kHzの周波数で変動する非定常圧力場を10Paオーダーの精度で測定可能な非定常感圧塗料技術を確立することができたといえる. この非定常PSP計測手法は,航空機や自動車等に不安定性を引き起こす流れのはく離や渦放出といった非定常流体現象の解明や空力騒音の発生メカニズムの解明のための強力な実験ツールになる.特に物体表面の各点での変動がどのような相関をなしているのか,また,どのようなメカニズムで音波を発生するのか,さらには,その制御をどのように行わなければならないのか,というような問題に対する解答が,2次元の非定常圧力場の可視化によって得られると考えられる.
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Research Products
(2 results)