2009 Fiscal Year Annual Research Report
肝癌における薬剤感受性増強遺伝子の同定とそれを用いた遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
09J04162
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
坂部 友彦 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 肝細胞癌 / IFN-α / 5-FU / PRKAG2 / TGFBR2 / EXT1 / リボザイム |
Research Abstract |
本年度は、平成20年度までに行ったリボザイムスクリーニングによって抽出された5種の候補遺伝子(PRKAG2、TGFBR2、EXT1、FOXP2、POLR2J4)から、5-FU感受性増強遺伝子の同定を行った。HepG2細胞における遺伝子解析、siRNAによる遺伝子発現抑制実験の結果をもとに、最終的に3種の遺伝子を抽出し、これらを5-FU感受性増強遺伝子(5-FU sensitizing genes : 5FUSGs)とした。これらの遺伝子をアデノウイルス過剰発現ベクターに搭載し、各遺伝子の過剰発現時の5-FU感受性の変化を検討することで、5FUSGsの有用性を検討した。HepG2細胞において、5FUSGs過剰発現を行った結果、3遺伝子全てにおいて、5-FU処理時の細胞生存率を有意に減少させた。また、これらの遺伝子のうち、TGFBR2、EXT1の過剰発現は、IFN-α/5-FU併用時においても、細胞生存率を有意に減少させた。さらに、ヒト肝癌皮下移植マウスを用いたin vivo実験では、5FUSG2の過剰発現群において、コントロール群と比較して、有意に移植癌細胞の増殖を抑制した。これらの結果から、5FUSGsは、5-FU単独及びIFN-α/5-FU併用時の抗腫瘍効果を増強することが示唆された.なお、本研究結果は、「5-FU単独及びIFN-α/5-FU併用時の抗腫瘍効果を増強する遺伝子群」として特許出願済みである。今後は、これらの遺伝子のより詳細な感受性増強メカニズムについて検討すると共に、癌特異的発現制御プロモーター等を検討し、5FUSGsを用いた遺伝子治療モデルを作成する予定である。
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Research Products
(1 results)