2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代モバイルコンピューティングのための通信と測位を融合する通信プロトコルの研究
Project/Area Number |
09J04171
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹中 友哉 Shizuoka University, 特別研究員(PD)
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Keywords | 通信と測位の融合 / ローカライゼーション / 位置推定 / 無線マルチホップネットワーク / モバイルコンンピューティング / ユビキタスネットワーク |
Research Abstract |
本研究は,小型携帯電話やIEEE 802.11, IEEE 802.15.4など様々な無線ネットワーによって,端末の場所に依存せずネットワークが形成されるモバイルコンピューティング環境において,端末の位置を測位するレイヤを新たに定義し,通信プロトコル内に組み込み,通信相手の位置を把握すると同時に通信を行う通信プロトコルを設計することを目的とした研究である.測位を実現するためには距離の測定と位置の算出する2つの手順が必要であり,これらを通信方式の各手順と融合する方法について検討した. 通信と測位を同時に実行するために既存の無線マルチホップネットワークのプロトコルスタックに新たに測位を実行する機能を追加したプロトコルの全体像を設計した.設計の結果,既存のプロトコルスタックの各レイヤに新たに測位を実現するための機能を追加することで通信と測位を同時に実行可能な通信プロトコルを設計可能であることが分かった. 通信と測位を融合するネットワークプロトコルとして,既存の無線マルチホップネットワークのルーティングアルゴリズムであるOptimized Link State Routing(OLSR)に,これまで筆者が提案してきたOptimized Link State Routing-based Localization(ROULA)を組み込むことで,データの配送と位置情報の設定を同時に実行するネットワークプロトコルOLSR-Lを作成した.計算機シミュレーション上で,単純に2つのプロトコルを同時に実行させる方式よりも,オーバヘッドが削減できることが確認できた.さらに,通信と測位を融合する通信プロトコルのアプリケーションとして,各ノードがターゲットを精度に測位するためにノード同士が協調する協調ターゲットトラッキングの動作を検討した.計算機シミュレーションを用いて,提案する協調ターゲットトラッキングが,各ノードが端末間の測距が障害物によって遮られた場合に,見通しのある測距を保証可能なノードが中継することで,高精度にトラッキング可能であることがわかった.
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Research Products
(9 results)