2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次元特徴量と低自由度識別器を用いた高精度音声認識器の開発と研究
Project/Area Number |
09J04190
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 陽太郎 Waseda University, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 音声認識 / カーネル法 / 隠れマルコフモデル / 識別学習 |
Research Abstract |
高次元特徴量と低自由度識別器を用いた音声認識法に関する基礎研究として,隠れマルコフカーネルマシンの提案,最小相対エントロピー識別学習のラティス形式への適用,最小相対エントロピー識別の並列コンピュータへの実装を行なった.隠れマルコフカーネルマシンの提案については,学術雑誌"IEEE Journal of Selected Topics in Signal Processing"に採録決定済みであり,他に関しては論文執筆に向けた理論構築および実験を完了した.これらの理論立てにあたり,NTT研究所と共同研究契約を締結し,共同特許出願を1件行なった. 隠れマルコフカーネルマシンについては機械学習に関するワークショップであるIBIS 2009にて発表を行なった.また他に関しては,情報処理学会SIG-SLP(2010年2月)において発表を行なった.また,これら一連の成果について日本音響学会より粟屋潔学術奨励賞を受賞した. 隠れマルコフカーネルマシンは近年機械学習の分野で注目されている高次元特徴構成法であるカーネル法を従来音声認識で用いられている隠れマルコフモデルと融合させることにより,高次元の特徴を抽出する手法で,孤立音素識別において高い性能を達成することが示された. 最小相対エントロピー識別学習の理論的展開においては,低自由度識別の実現法である最小相対エントロピー識別学習において,大規模なデータに適用する際の計算効率を大幅に向上させるための検討を行なった.具体的にはラティス表現と呼ばれる認識誤りの表現方法を用いることで,従来法よりはるかに多様な認識誤りのパターンを同時に捉えることに成功した.また,それを並列コンピュータに実装することで高速な処理を実現した. 以上の展開によって,高次元特徴量と低自由度識別器を用いた音声認識を実データに適用するために必要な基礎理論は完成したと考えられる.
|
Research Products
(7 results)