2009 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス感染日本白ウサギにおける感染状態の解析
Project/Area Number |
09J04224
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金井 亨輔 Tottori University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | EBウイルス / EBウイルス関連疾患 / 感染動物モデル |
Research Abstract |
EBウイルス関連疾患の病態・病因解明および治療法開発のため、EBウイルス感染モデル動物による実験系の構築を目的とした研究が、様々な動物種を用いてなされている。ウサギ(Japanese White種)は有望な動物種候補のひとつであり、EBウイルスが静脈注射により感染することがこれまでに知られている。EBウイルス感染ウサギは一過性の脾腫、末梢血中でのEBV-DNAの検出がなされ、これらの症状は次第に緩和する。本研究は、EBウイルス感染ウサギにおけるEBウイルスの感染状態のより詳細な解析を目的とした以下の検討を行った. EBウイルス感染ウサギの末梢血におけるEBV遺伝子発現の経時的解析を行ったところ、EBウイルス遺伝子の発現が長期間継続して確認された。また、死後の剖検で脾臓からウイルス遺伝子の発現が確認されただけでなく、血球貪食像や異型リンパ球が認められた。このことから、ウサギにおけるEBウイルス感染症状は一時的なものだけではなく、終生継続していることが示され、またEBウイルスが長期的な影響を宿主に及ぼしている可能性が示唆された。 試験管内における末梢血リンパ球、脾臓リンパ球のEBV感染の解析を行ったところ、EBウイルス遺伝子発現が確認され、試験管内でも感染が成立することが示された。また、これまで検討に用いられたB95-8株EBVとは異なるEBV株であるP3HR-1株EBVを用いてウサギへの感染の検討を行い、P3HR-1株EBVでもウサギへの感染が成立することが明らかにした。これらの事実は、ウサギを用いてのEBウイルスの病態・病因解析が、試験管内で行える可能性を示す。 本研究により得られた事実は、EBウイルス感染モデル動物としてのウサギの有用性が改めて支持した。今後、これらEBウイルス感染ウサギが、EBウイルス関連疾患の病態・病因の解析に役立つことが期待される。
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Research Products
(8 results)