2009 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカ、モパネサバンナの自然環境の特性と人間活動の関わり
Project/Area Number |
09J04226
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山科 千里 Kyoto University, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | モパネサバンナ / シロアリ塚 / 植生動態 / 自然資源利用 |
Research Abstract |
平成21年度は、9月から12月にかけてナミビアに渡航し、現地での調査を行った。また、所属大学大学院の教育支援プログラムの院生発案共同研究に同科所属の2名の院生とともに申請、受理され同年8月から9月にかけてはナミビア・マラウィ・ザンビアにおいて広域調査を行い、マラウィにおいて報告会を開いた。平成22年度2月にはこれまでの研究成果をまとめた論文がAfrican Study Monographsに掲載された。 共同研究として行った広域調査では、南部アフリカにのみ分布するモパネ植生が、気候・人為の影響など、環境の異なる地域においてどのような共通点や相違点をもっているか、またその共通点・相違点を生み出す要因は何かを解明することを目的とした。モパネ植生は同植生帯内で景観や動態に大きな違いがみられることが指摘されているが、モパネの分布の規定要因や樹形の違いを生み出す要因、隣接植生との関係など不明な点が多い。モパネ植生は南部アフリカの数カ国にわたり分布し、地域に暮らす人々の生業や生活様式も多様であることから、地域の植生を含めた自然環境の動態を明らかにすることは人々の持続的な自然資源利用を考える上でも重要である。 9月から12月に行ったナミビアでの調査では、ナミビア北東部のモパネサバンナにおいてシロアリ塚と植生との関わりについて調査を行った。平成18年から20年まではナミビア北西部において調査を行ってきたが、これらの2つの地域は気候や地形、地域に暮らす人々などあらゆる面で異なる。特に大きな違いとしては、降水量の違いや人々の生業の違いなどがあげられる。このように環境の異なる地域において調査を行い、現地での植生の動態を地域の特徴から明らかにしていくことで、各地域の植生の変化を捉えるが可能である。また、環境の異なる地域の比較から、地域の共通性や差異を明らかにし、地域の特性に沿った自然と人との関わりについて検討していくことにつながる。
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Research Products
(3 results)