2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 加奈子 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PIWIファミリータンパク質 / MILIタンパク質 / MIWIタンパク質 / TDRD1タンパク質 / 質量分析 / 精子形成 |
Research Abstract |
精子形成過程におけるMILIの機能を解析するために、成体精巣内におけるMILI結合分子の探索を行った結果、TDRD1(Tudor domain containing 1)を申請時前に同定した。更にTDRD1は、MIWIと結合することも明らかにしていた。 そこで、本年度は、PIWIファミリーとTDRD1複合体に関する詳細な解析を行なった。TDRDIはMILIやMWIと同様に、生殖細胞特異的に発現する精子形成及び生殖顆粒形成に必須のタンパクである。これら3つのタンパク間の相互作用を調べた結果、この3者は複合体を形成すること、MILIの細胞内局在は、TDRD1とMIWIの結合を介して制御されていること、が示唆された。一方、成体精巣においては、MILI、TDRD1、MIWIのいずれのタンパクも細胞質、特に生殖顆粒に局在する。ところが、Miwi欠損型円形精子細胞においては、核内にもMILI及びTDRD1が存在すること、またそれらの生殖顆粒への集積がみられなくなること、更には生殖顆粒の構造が崩壊していることを見出した。これらのことから、円形精子細胞におけるMIWIの細胞質局在は、MILIとTDRD1の細胞内局在を規定することが示唆された。この研究成果は学術論文で発表した。 前述の結果より、MILIおよびTDRD1の細胞質への局在がMIWIを介しておこなわれていることから、MIWIに結合し、MIWIを細胞質にアンカリングさせるタンパクの存在が予想された。そこで、成体精巣内におけるMIWI結合タンパクを質量分析により同定した結果、γ tubulin ring complex proteins(γ tubulim, GCP2, GCP3, NEDD1)が同定された。円形精子細胞において、これらの分子はMILIなどと同様に生殖顆粒への局在が認められた。現在、これらの分子とPIWIファミリーの相互関係を解析している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] MVH in piRNA Processing and Gene Silencing of Retrotransposons2010
Author(s)
Satomi Kuramochi-Miyagawa, Toshiaki Watanabe, Kengo Gotoh, Kana Takamatsu, Shinichiro Chuma, Kanako Kojima-Kita, Yusuke Shiromoto, Noriko Asada, Tohru Kimura, Norio Nakatsuji, Toshiaki Noce, Hiroyuki Sasaki, Toru Nakano
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Journal Title
Genes and development (in press)
Peer Reviewed
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[Journal Article]2009
Author(s)
宮川(倉持), さとみ・小島, 加奈子
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Journal Title
幹細胞研究の最新の進歩 生殖幹細胞とPIWI(最新医学社)
Pages: 94-103