2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J04253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北 加奈子 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | PIWIファミリータンパク質 / MILIタンパク質 / MIWI2タンパク質 / トランスジェニックマウス / レトロトランスポゾン / 精子形成 / DNAのメチル化 / piRNA |
Research Abstract |
我々の研究室では、胎仔期において、MILI及びMIWI2がDNAのメチル化によるレトロトランスポゾンの制御に関与していることを見出したことから、これらのPIWIファミリータンパク質の機能を更に詳細に解析するために以下に記すトランスジェニックマウスを作成した。 胎仔期ではDNAのレトロトランスポゾン遺伝子であるIAPやLine1の制御領域が高度にメチル化されることによってそれらのレトロトランスポゾンの発現が抑制されている。一方、MILI-KO及びMIWI2-KOマウスではDNAのレトロトランスポゾン遺伝子の制御領域のメチル化が低下することによって転写抑制が解除され、レトロトランスポゾンの転写が増加する。また、MILI及びMIWI2はsmall RNAであるpiRNAと結合し、そのpiRNAの中にはレトロトランスポゾンに対する配列も含まれている。しかし、そのpiRNAがMILI-KO及びMIWI2-KOマウスでは消失していることから、MILIまたはMIWI2はpiRNAを介してDNAメチル化によるレトロトランスポゾン制御に関与していると考えられる。また、胎仔期では、MILIは細胞質に局在する一方、MIWI2は核内に存在することから、MIWI2がこのDNAのメチル化機構に直接関与していることが示唆される。 更に我々は、クロマチン免疫沈降法により、胎仔期の精巣においてMIWI2がゲノム、特にIAPやLine1の制御領域に結合していることも明らかにした。 そこで、今回、DNAのトランスポゾン遺伝子の制御領域に結合するように設計したzinc fingerタンパクとMIWI2を融合したタンパク質を発現させるトランスジェニックマウスを作成し、このタンパク質の十分な発現を確認した。
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